としまえん水と緑の公園で遊ぶ会
「としまえん跡地公園を多様な主体とともに一緒に育てよう」(提言)
2020年10月から1月にかけてワークショップを開催し、
都立練馬城址公園整備計画に対してアイディアをとりまとめた提言です
表
としまえん跡地公園を多様な主体とともに一緒に育てよう(提言)
としまえん水と緑の公園で遊ぶ会
2021年2月
裏
石神井川での川遊び(南田中団地付近)/プレーパーク(都立光ヶ丘公園)
はじめに
としまえんは、近隣に住む私たちにとって生まれた時から存在し、子供の頃から何度も遊んだ思い出の場所です。としまえんの閉園をとても寂しく思っています。
そのとしまえんは、都市計画練馬城址公園という防災機能を持つ新たなパブリックスペースに生まれ変わります。
わたしたちは、練馬城址公園が大人と次世代を担う子供たちが遊び続けられる魅力的な水と緑の空間になるように一緒に学び、創り、使いながら育てていければと思います。
これまでアンケートやワークショップを実施し、地元住民からの提案を7つの視点からまとめました。
① 多様な主体とのパートナーシップ
② 社会の変化に応えられる段階的な整備
③ 水と緑の遊園地としまえんとのつながり
④ 石神井川とのつながり
⑤ 防災(地震・火災と豪雨・洪水)
⑥ 気候変動と新型コロナ
⑦ 防犯と交通安全
イベント実施写真
第1回イベント(2020年10月24日)
第2回イベント(2020年11月14日)
第3回イベント(2020年12月20日)
提言1 多様な主体とのパートナーシップ
現状認識
「都市計画公園・緑地の整備方針」(令和2年7月改定)の「実現化の方針」では「民間事業者を含めた多様な主体の連携」が示されています。また、現計画の計画テーマとして「多様な主体と連携して、社会の変化に応えながら創りあげる公園」が示されています。周辺の都立公園では、通常の公園にある禁止事項がないNPOと住民ボランティアによる「プレーパーク」が展開されています。
意見
公園の整備段階から多様な主体と連携していくことが、開園後の公園運営・利用に対して、地域の多様な主体が自分事として関わることにつながっていくと考えます。
提案
公園事業者が地元の自治会、学校、商店街、地元企業、練馬区など多様な主体とのパートナーシップを構築し、計画策定後に予定される公園の基本設計、実施設計、施設整備の段階から時間をかけて段階的に公園が育て続ける場の設立を提案します。
具体的な提案
1.公園事業者(東京都)が地元の自治会、学校、商店街、地元企業、練馬区など多様な主体とのパートナーシップにより、基本設計、実施設計、施設整備を行っていく仕組みづくり(例えば、「都立練馬城址公園と石神井川をみんなで育てる会」(仮称)を立ち上げ、多様な主体がそれぞれ自分でできることを一緒に考えていく場をつくる)
2.子供、子育てを社会のトッププライオリティとなる官民連携推進チームによる公園デザインプロセスの導入で、 『未来の東京』戦略」(案)で示された 「こどもスマイルムーブメント」のリーディング・プロジェクトに
3.都立公園と石神井川で、NPOや住民ボランティアなど多世代の多様な主体が子供を見守る中で生物探しなどの川遊びを行う「水と緑のプレーパーク」の実現や、川の中のゴミ拾いなどの清掃活動を行う住民主体の組織づくり
4.園内に無料Wi-Fiスポット・無料携帯電話充電ステーションがある多世代が集う場(市民団体による管理)を提供し、貧困や不登校などの課題を抱える子供を見守る場や高齢者の憩いの場を提供
5.単機能のカフェでなく図書館などの併設など、地域コミュニティが醸成できる機会に繋がる多世代の地域住民が集う場、学びの場を公園内に整備など、いままでにない考え方を取り入れた公園に
提言1 多様な主体とのパートナーシップ
地域の子ども、若者が安心してすごせるような「居場所」づくり〜プレーパーク
「みんなで〜しよう」 “Let’s…together!”
「南池袋公園をよくする会」
まちなか公共空間等における「芝生地の造成・管理」に関する懇談会(国土交通省)
未来の東京』戦略」(案)2021年2月(東京都)
子供、子育てを社会のトッププライオリティとなる官民連携推進チームによる公園デザインプロセス導入で、「こどもスマイルムーブメント」のリーディング・プロジェクトに!
共助社会づくりを進めるための東京都指針
•新たな活動の場となる第三の居場所(サードプレイス)作り
•災害時ボランティア活動を円滑にする取組
•地縁団体とNPO、企業などが゙連携したモデル事業の構築
提言2 社会の変化に応えられる段階的な整備
現状認識
計画テーマに「多様な主体と連携して、社会の変化に応えながら創りあげる公園」が示されています。段階的に整備され、「エントランス交流ゾーン」と「花のふれあいゾーン」が令和5年度に先行開園するようですが、これらのゾーンには子供たちが遊べる機能がほとんどありません。子供たちの遊べる機能を多く持つ「人々を繋げ歴史を伝える文化ゾーン」(令和11年度)、「にぎわいアクティビティゾーン」(覚書によればスタジオツアー終了した約30年後)の開園には長い時間がかかります。
意見
自然の中における子供たちの自由な遊び、特に現計画案の「にぎわいアクティビティゾーン」と「人々を繋げ歴史を伝える文化ゾーン」で可能となる遊びへの期待が大きく、公園が全部開放する30年後まで待てません。
提案
現計画案のような最終段階の各ゾーンをそのままの形で部分的に先行開園する考え(個別最適)ではなく多様な主体と連携し社会の変化に応え、段階的な整備であっても当初から公園全体の機能が発現される考え(全体最適)を提案します。また、地元住民で利用ルールを作ることにより、整備まで時間を要する未利用ゾーンの「暫定開放」(長期間閉鎖しない)を提案します。
具体的な提案
1.当初開園時点で、AゾーンにEゾーンの施設を一部追加、BゾーンにDゾーンの施設を一部追加するなど、開園当初からA・B・C・D・Eの機能をすべて発現させる(中間のまとめでは、当初開園ではEとDの施設がなく、概成でもEの施設がない)
2.当初から「桜並木や川面を眺められることができる飲食施設」を「花のふれあいゾーン(A)」側に整備することで先行的に機能を発現させる( 現計画ではハリーポッタースタジオツアー施設終了した30年後に整備予定) )
3.としまえんプール跡地を何も施設を整備しない原っぱ等として「人々を繋げ歴史を伝える文化ゾーン(D)」」を工事着手まで暫定開放。開放時の利用ルール(やくそく)は地元住民が中心となって作る(段階整備中の都立高井戸公園(令和2年6月一部開園)で杉並区による暫定開放(平成27年〜)の事例があります。また、練馬区では民間の土地を地域のボランティアが管理運営する「民間遊び場」の仕組みがあります。清瀬市では公園予定地である広大な敷地を地域住民が自由に楽しく活用することで、「開園前からこの土地に携わった意識を持ち、公園を末永く大切にしてほしい」と企画した「オープンパーク」の仕組みがあります。 )
提言2 社会の変化に応えられる段階的な整備
水辺・川沿い空間に加え、アスレチック、キャンプへの期待が大きい。
令和2年度第2回東京都公園審議会(2020年9月8日)のイメージ図に対するアンケート結果 ※有効回答者数115(一人あたり最大3項目選択)
段階的な整備であっても当初から公園全体の機能が発現される考え(全体最適)を。
都立高井戸公園の杉並区による暫定開放
清瀬市のオープンパーク
「公園の問題点として、開園直後に人が集まってもしばらくすると草が生えっぱなしで誰も使わない『お荷物』になってしまう悩みがあった。今回のオープンパークで地域住民の方々に空間を体験してもらうことで、公園活用についての新しいアイデアを伺えたら」と期待する。(北多摩経済新聞)
提言3 水と緑の遊園地としまえんとのつながり
現状認識
計画案の「人々を繋げ歴史を伝える文化ゾーン」では、「城や遊園地が積み重ねてきた文化やにぎわいの歴史を伝える」とあるものの、遊園地「水と緑の遊園地としまえん」の歴史が示されていません。
意見
地元の練馬区民やとしまえんファンの方々にとって、としまえんは家族数世代にわたり子供から大人になっても通った思い出の場所です。そして、としまえんプールは「練馬区の海」とも呼ばれ、夏はプール、冬は釣堀として愛されていました。このようにとしまえんは90年以上続いた歴史の一つです。
提案
公園にとしまえん(遊園地・プール)の面影や記憶を残すことで、としまえんファンや練馬区民がこれからも憩う場づくりを提案します。
具体的な提案
1.名前
•都立公園の名称に「としまえん(豊島園)」を入れる
2.施設・樹木
•「エントランスゾーン」にある古城を保存し、管理棟または「としまえん歴史館(仮称)」として転用(パネルやジオラマなどを展示)
•サイクロンの車両など、としまえんアトラクション施設の一部を活用した遊具を設置(SL機関車を置いた公園のような)
•遊園地のワクワク感を残すため回転木馬カルーセル・エルドラドを戻せたら
•としまえんの名前の入ったグリーンベンチやとしまえんに設置されていたゴミ箱等を再配置(里帰り)
•地域活動として、としまえん園内の樹木のドングリを育て植林する森づくり
•としまえんの伐採樹木を利用した施設(ベンチなど)の設置やグッズを販売
•森づくりに関連した木の実や木片を工作するワークショップコーナーを
•区内に生息する昆虫コーナーを設置し、夜に蝉のふ化やカブトムシを採集するイベントも
•としまえん花火大会が再度実施できるような施設配置
•西武鉄道豊島園行きの終点のワクワクを残すため、園内に西武線の車両を置いて遊べるようにできたら
•コスプレーヤーやアニメや野外ライブのイベントができる場所を
3.プール
•できれば「練馬区の海」であるプール(冬は釣堀)を存続
•地下水を利用したじゃぶじゃぶ池として「こどものプール」を一部保存(ミストが出れば酷暑対策にも)
•「流れるプール」の構造物(高架橋)を残し、自転車道や遊歩道等に転用(鉄道高架橋を公園に転用したアメリカのマンハッタンにあるハイラインのように)
提言3 水と緑の遊園地としまえんとのつながり
94年間続いたとしまえんはわたしたちの歴史の一つです。
“ありがとう としまえん”
新しい公園にも
としまえんの記憶と面影を
流れるプール
鉄道高架橋を再利用した公園ハイライン(ニューヨーク)
提言4 石神井川とのつながり
現状認識
現計画「川辺の散策ゾーン」に追加された「水辺に近付くことができる親水空間」の整備は全面開園時(最終段階の30年後)であり長い時間を要します 。
意見
都立公園と石神井川が一体の魅力的な公共空間になることを期待しています。石神井川上流では階段もある緩傾斜護岸が整備され、川の中で生き物探しやゴミ拾いの活動がされている場所があり、同様に都立公園からも石神井川の中に入り、生き物探しなどの川遊びや清掃活動が地域活動としてできるようになりたいです。
提案
石神井川を中心とした「川のプレーパーク」の実現などの地域活動を行うため、「石神井川の水辺空間」を「水辺に近づく場」だけでなく「川に入って遊ぶ場」とし、早い段階で階段のある緩傾斜護岸を整備を提案します。緩傾斜護岸のある川の拡幅は、想定を超える豪雨による大洪水が発生した時に周辺住宅地の減災に寄与します。
具体的な提案
1.公園から水辺テラスに降りることができる緩傾斜護岸の整備。水辺テラスから石神井川の中に入ることができる階段も一部整備
2.緩傾斜化による切土で発生する土砂やとしまえん解体による瓦礫を有効活用し、公園内に緩傾斜護岸と一体の緩やかな丘を整備
3.公園から河川の水面まで一体で緩傾斜地形に整備することにより、柵のない水面が眺められる魅力的な憩いの空間づくり(「川面を眺めながら飲食を楽しむことができる施設」からの眺めで考慮)
4.京都の鴨川のように水辺に降りられるような魅力的な環境を創造し、練馬区の新しい価値に
5.谷戸地形を活用し、既存井戸からの地下水や崖からの湧水が流れるせせらぎと石神井川が一体となった水辺空間の整備(健全な水循環の確保)
6.公園だけでなく石神井川で、NPOや住民ボランティアなど多様な主体が子供を見守る中で生物探しなどの川遊びができる「川のプレーパーク」の実現
7.河川管理者の許可を得た上で利用者が川の中に入って川遊びやゴミ拾いができる仕組みを構築(石神井川上流の南田中団地の水辺テラスで事例があり、合流式下水道の雨天時の越流 (CSO)を考慮して、洪水後の10日間は入らないルールで運用されている)
8.「川に入って遊ぶ」をさらに安心して実現できるように、合流式下水道の雨天時越流(CSO)の排水口を緩傾斜護岸よりも下流へ付替
提言4 石神井川とのつながり
南田中団地付近の石神井川の緩傾斜護岸
川を調べる、歩く(令和2年9月27日開催)
企画団体:川と水辺を楽しむプロジェクト
上石神井団地付近の石神井川の緩傾斜護岸(工事中)
合流式下水道の雨天時の越流対策
下水道台帳(東京都下水道局)
合流式下水道の雨天時の越流 (CSO)イメージ
(善福寺川を里川にカエル会)
としまえん跡地の緩傾斜護岸+テラス(イメージ)
快適な斜面の角度(川の親水プランとデザイン)
提言5 防災(地震・火災と豪雨・洪水)
現状認識
現計画では防災拠点(広域避難場所)へ指定される予定ですが、地震時の防災機能しか考慮されていません。としまえんの敷地の石神井川南側は練馬城があった高台で、北側は低平地(石神井川の氾濫原)です。最近では、河川・下水道管理者等による治水に加え、あらゆる関係者により流域全体で行う治水「流域治水」へ転換する必要が求められています。
意見
いつ発生するかわからない首都直下地震等による大規模な火災時の避難場所が早期に確保されるか心配しています。また、人工的に周辺より高く造成された西ゲート側(としまえんのグラウンド、臨時駐車場)が周辺住宅地の氾濫リスクを高めていないか心配しています。
提案
地震時などに発生する大規模な市街地火災の輻射熱から避難場場所へ避難する区民の安全を確保するため、地元住民による公園内の森づくりを提案します。
また、石神井川の流域治水として、気候変動の影響から想定を超える豪雨による大洪水が発生した時に周辺住宅地の減災に寄与する「グリーンインフラ」となる公園を提案します。
具体的な提案
1.地震・火災
•市街地火災の輻射熱から避難場所の安全を確保する機能をもつよう敷地内の樹木を保全、可能なら園内の樹木を移設、あるいは防火樹*を配備
*防火樹:火気にも耐える樹種で、枝葉や樹幹が延焼しても、早期に萌芽し回復する樹木。マサキ、イチョウ、タブノキ等、樹皮が厚く含水率の高い樹木が該当
•地域活動として、としまえん園内の樹木のドングリを育て植林する森づくり
•夏場日中の避難も考慮した屋根のある避難施設の確保(熱中症対策)
•平時から防災施設を利用するプログラムを提供し、近隣住民が防災機能を理解する事で避難時に住民の主体的な活動につなげる(防災キャンプによる防災かまどや深井戸からの地下水の活用など)
2.豪雨・洪水
•西ゲート側(としまえんグラウンド、臨時駐車場)の人工盛土の一部切り下げ(少なくとも周辺道路と同じ高さまで)により公園内の氾濫原の遊水機能を確保するとともに、石神井川の拡幅(緩傾斜護岸化)により、公園上流側の石神井川氾濫原に立地する公園周辺の住宅地の豪雨・洪水リスクを軽減させる
•公園内の氾濫原に設置する施設は豪雨・洪水で浸水被害を受けないように整備する
提言5 防災(地震・火災と豪雨・洪水)
樹木の防火効果(大阪府)
身近な公園 防災使いこなしBOOK(国土技術政策総合研究所)
宮脇昭「いのちの森づくり2020~いのちの森を世界に~」
苗木の植林による森づくり(滋賀県営都市公園びわこ地球市民の森)
東京都豪雨対策基本方針(改定)
豪雨対策の目標
目標を超える降雨に対しても、生命の安全を確保
練馬区水害ハザードマップ
赤線:想定し得る最大規模の降雨により、石神井川の氾濫で浸水が想定されている区域
傾斜護岸と高台を一体整備した場合のイメージ
提言6 気候変動と新型コロナ
現状認識
現計画では気候変動や新型コロナ禍での公園・避難場所のあり方が示されていません。
意見
今後は新たな生活様式で公園を楽しむこと(New Normal Park Life)が重要です。また気候変動の進む中で、ヒートアイランド現象の緩和だけでなく、夏場の利用者の避暑のための日陰の確保がますます重要となります。
提案
ワーケーションの場など新たな生活様式での公園の過ごし方を考慮した空間づくりを提案します。特に夏場の猛暑でも密を避けながら公園で過ごせるように避暑のための屋根のある施設の充実を提案します。さらに、木陰や雨水の浸透を増やすなどヒートアイランド緩和に寄与する「石神井川一体のグリーンインフラ」としての公園を提案します。
具体的な提案
1.「桜並木や川面を眺めながら飲食を楽しむことができる施設」(C3)などの屋根のある施設を早期整備(全面開園時の30年後ではなく)および充実
2.としまえんプール屋内館(更衣室)を有効活用。冬季フットサル場、ボードパークなどに利用し、緊急時の一時的な防災(医療)拠点や分散避難の活用空間としても利用。
3.少人数の利用を想定した四阿(あずまや)だけでなく、ワーケーション等の利用や夏場の炎天下時の避難場所も考慮した屋根のある規模の大きい施設の充実
4.テレワークが増えていることから、電源、Wi-Fi完備のワーケーション施設の充実(新宿御苑のような)
5.周辺の気温低下(ヒートアイランドの緩和)のため、今よりも樹木を増やし木陰をつくり、できるだけアスファルト等の被覆は避ける。この結果、雨水浸透による地下水涵養にも寄与。川の再生から水循環の再生(石神井川と一体のグリーンインフラに)
提言6 気候変動と新型コロナ
避暑のための屋根のある施設の充実
屋上緑化(国営昭和記念公園)
膜構造(国営讃岐まんのう公園)
スタバ(富岩運河環水公園)
としまえん屋内館(プール更衣室)
ヒートアイランド対策ガイドライン平成24年度版(環境省)
新たな生活様式で公園を楽しむ
New Normal Park Life (全国都市公園整備促進協議会)
川の再生から水循環の再生(グリーンインフラ)
善福寺川グリーンインフラプラン(善福寺川を里川にカエル会)
公園でのワーケーション(電源、Wi-Fi完備)
新宿御苑におけるワーケーション体験(環境省)
提言7 防犯と交通安全
現状認識
現計画では、多くの「歩行者出入口」、「歩行者及び緊急車両出入口」、「駐車場出入口」が計画されています。としまえん営業時は夜間の敷地は閉門されており、入ることができませんでした。
意見
ハリーポッターの施設ができると海外からも含めて不特定多数の訪問者の増加が想定されるなか、夜間としまえん周辺は暗いので24時間公園に出入りできるようになったときの治安やゴミの不法投棄の増加を心配しています。また、北側に面した道路が狭いことから、大型の工事車両の往来に不安を感じています。
提案
24時間開放の場合の夜間の防犯強化とゴミの不法投棄を防ぐ公園づくりを提案します。工事中と開園後の通学路などの交通安全によるウォーカブルなまちづくりに寄与する公園を提案します。
24時間開放の場合の夜間の防犯強化とゴミの不法投棄を防ぐ公園づくりを提案します。工事中と開園後の通学路などの交通安全によるウォーカブルなまちづくりに寄与する公園を提案します。
具体的な提案
1.防犯
•公園内の防犯カメラや照明の充実
•パークPFIや指定管理者制度を導入する場合の24時間警備の導入
•24時間開放ではなく、開園時間指定も考えてもらえれば(新宿御苑のような)
2.交通安全
•緊急時の車両通行も考えて北側の道路は拡幅整備してほしい(現状でも車のすれ違いが難しく、歩行者にも危険)
•公園の中だけでなく公園のまわりの道路もウォーカブルにして、人が安心して歩いて楽しむまちづくりを
•工事車両の通行は子供の安全を最優先に万全の対策を
•豊島園通り(トイザらス側)からの工事車両の出入りを基本にしてほしい
•万が一としまえん北側の狭い道路を工事車両が通る場合は、
①民間事業者と調整し、北側道路に面するスタジオツアー敷地の一部を歩道として活用し、工事車両の往来での交通安全の確保を徹底
②北側道路に面する「花のふれあいゾーン」の敷地を歩道として先行的に整備し、工事車両の往来での交通安全の確保を徹底
③工事現場に最も近い学校である区立春日小学校の前を通学時間に工事車両が通らないような施工計画を
提言7 防犯と交通安全
防犯
光が丘公園のソーラー照明灯設置場所
公園へ行こう!緑と水の総合サイト(東京都公園協会)
光が丘公園などの夜間警備人数
指定管理者の指定について(平成27年度),「防災公園」グループ
(公益財団法人東京都公園協会)
『未来の東京』戦略」(案)2021年2月(東京都)
交通安全
としまえん周辺の道路幅
としまえん周辺の小学校学区
おわりに
今回、としまえん閉園をきっかけに30代〜40代の有志が集まり、10代から60代以上の幅広い世代の地元住民のみなさんの新しい公園に対する声を聞いてきました。
その声をもとに、公園事業者へ一方的に「やってくれ」という「要望」ではなく、自分でできることも考えながら「一緒にやろう」という「提言」という形でとりまとめてみました。
わたしたちは、近くにできる新しい都立公園がとしまえんに負けない魅力的な場所に生まれ変わることをとても楽しみにしています。
この都立公園が、多世代の人々がたくさん集まり、遊ぶことで愛され続け、かつ地域の安全安心につながる地元のわたしたちが自慢できるような素敵な場所に長い時間をかけて育っていってほしいと思います。
そのために、整備段階から多様な主体とのパートナーシップを構築して一緒に公園を育て、それとともに地元住民も育っていく仕組みづくりが組み込まれた、コロナ禍と気候変動の状況でも防災・減災機能が確保されたグリーンインフラとしての、次世代につながる持続可能な発展目標(SDGs)達成に貢献する公園を目指した整備計画となるよう地元住民として心から願っています。
としまえん水と緑の公園で遊ぶ会
代表 高山潤照
2021年2月
活動経緯
1.イベント
第1回 2020年10月24日(土)キックオフ※台風の影響で10月10日から順延
第2回 2020年11月14日(土)ブレインストーミングのワークショップ
第3回 2020年12月20日(日)ブレインストーミングのワークショップ
第4回 2021年01月17日(日)まとめ ※緊急事態宣言でオンライン開催
2.アンケート
実施時期:2020年10月24日〜2020年12月31日
実施方法:イベント参加者へ配布、WEB、春日町町会(自治会)回覧板
3.活動パートナー
春日町町会(会長 浅沼敏幸)後援
都立練馬高校ボランティア部
川と水辺を楽しむプロジェクト代表 佐藤英雄
まちづくり計画研究所代表 渡辺実
4.助言をいただいた専門家
公園の専門家 千葉大学准教授 竹内智子
河川の専門家 名古屋大学准教授 中村晋一郎
遊びの専門家 NPO法人PLAYTANK理事長 中川奈緒美
5.助成
令和2年度まちづくり活動助成「たまご部門」(練馬区みどりのまちづくりセンター)
6.本提言への賛同者(2021年2月25日時点)
春日町町会 春日小学校応援団 寿福寺 春日神社
寿福寺学園(寿福寺第一幼稚園 寿福寺第二幼稚園)
株式会社アンミッコ(アンミッコ保育園 春アンミッコ保育園)
NPO法人PLAYTANK
安蔵誠市(練馬区青少年育成第四地区委員会 会長 練馬幼稚園園長)
品田穣 (練馬区文化財保護審議会 元会長、練馬区緑化委員会 元会長、練馬みどりの機構 元代表理事、練馬区在住)
尾島俊雄(早稲田大学名誉教授、環境省ヒートアイランド対策の計画的実施に関する調査検討会委員長、練馬区在住)
多くのみなさまのご協力とご賛同ありがとうございました。今後も本提案へ賛同いただける方をお待ちしています。
※2021年(令和3年)3月31日に、向山町会から賛同を得ました。
屋上緑化(国営昭和記念公園)